築古不動産を
サステナブルに再価値化

レスピール三鷹

日本が高度成長期に入った1970年代、雨後の筍のごとく建設された鉄筋コンクリートのマンションが、今後続々と築50年の節目を迎えます。改修するにも現行法制が壁となり、解体して新しく建て直すのが最も手間のかからない方法であるのが現状。

しかし、解体・新築は夥しい量の廃材を生み出す上に、新たな建設資材を大量に必要とします。持続可能性を大きな命題とすべき今後の社会状況を考えた場合に、安易なスクラップ&ビルドは、すでに成立しないプロセスであると、レーサムは考えます。

吉祥寺・三鷹の南側、井の頭公園にも程近い良好な住宅地に立地する、築44年の寄宿舎。レーサムはこの物件を解体することなく最先端の手法で全面刷新し、中長期にわたり、顧客と社会に価値をもたらす不動産に生まれ変わらせました。

(株)青木建築工房様の全面協力により、当案件に「リファイニング手法」を当社として初めて導入しました。

「リファイニング手法」は、リフォームやリノベーションとは異なり、老朽化した構造躯体の耐震性能を補強等によって向上させつつ、既存躯体の大部分を活用しながら、設備リニューアル、外観・内装の一新を行い、建物の長寿命化を図る新しい建築手法です。

その特徴は、新築の7割程度の予算ながら、内外観とも新築と同等のクオリティが実現でき、用途変更を含む大幅な改修も可能で、現行法規への適合性も担保しつつ、廃材も大幅に削減できるなど、多岐にわたります。

当案件も、構造躯体の信頼性と遵法性を担保し、当局から検査済証を取得。最新の賃貸マンションとして生まれ変わらせることができました。(2017年3月竣工)

クオリティの面でも妥協することなく、息を呑む眺望をそのままに、広々とした共有ラウンジやキッチン、女性にも安心なICセキュリティシステム、扱いやすい自転車収容ラック等、最新設備を惜しみなく導入しました。

その結果、賃貸マンションが数多く供給されているエリアにも関わらず、全86戸に多くの入居希望が寄せられ、資産としても長期安定運用が可能な物件となりました。

「リファイニング手法」は、これからの時代、環境と共存した不動産のリバリュー手法として、建築関係者の間でも注目度が高く、工事中に実施した工事内覧会には、百数十名にも及ぶ見学者が訪れました。

とはいえ、この手法はその新しさゆえ、現状では完成後に当局から検査済証を取得できない可能性も少なからずあることから、施工事例は極めて限られます。しかし日本社会の将来を見通したとき、そうしたリスクがある中でも、あえて積極的に採用していくべきであると考えます。

当社は、東京・目黒の「medock 総合健診クリニック」の案件においても、「リファイニング手法」を採用した再生建築を行いました。こうした取り組みで集積した経験と知見を生かしながら、既存不動産の再価値化に積極的に挑戦してまいります。