
象徴を再生する、という挑戦。
アメ横。上野と御徒町の間に広がるこの商店街は、戦後復興の記憶をとどめつつ今も人と物が縦横無尽に行き交う、東京屈指の”熱”をもつ街です。
年末の喧騒はもはや日本の風物詩。近年ではそのエネルギーが国境を越え、世界中の旅行者が魅了される街へと変貌を遂げつつあります。本プロジエクトは、そのアメ横の象徴ともいえる「アメ横センタービル」の再生という挑戦でした。築42年が経過したビルには長年営業を続ける1坪以下のテナントも多く、契約形態は複雑化。
2階部分は上階にお客様を誘導する力が弱く、収益性の低下が課題となっていました。また設備の老朽化も進み、空調の水漏れやエスカレーターの不具合が発生していました。

対話で紐解き、DNAを引き継ぐ。
私たちは、街やビルに根づいた商いの歴史と、そこに生きる一人ひとりの思いに耳を傾け寄り添い、丁寧な対話を重ねながら複雑な契約関係をひも解きました。
同時に、施設全体の収支構造を精緻に見直し無駄を排除する一方で、エスカレーターの修理や空調整備の更新など、未来を見据えた改修投資を果断に実施しました。そして、お客様を誘導する力が弱かった2 階には「アメ横・屋台街」を新たに企図。多国籍文化が交差し、雑多でありながらも魅力に満ちたこの街のDNAをフロア全体に織り込み、計画の実現に向けて最終段階に入っています。

街の未来を開き、寄り添い続ける覚悟。
文化や人の営みを尊重しながら、時代に応じた空間へと再構築していく。
それは、ただの不動産再生ではなく、街の未来に寄り添い続ける覚悟を伴う取り組みなのです。
このプロジェクトを通じて、私たちレーサムの不動産再生の実績が評価され、大手鉄道会社と共同で街のさらなる活性化に取り組むこととなりました。不動産の力で地域を豊かにする——これからも、当社は街の未来を創造し続けます。

物件概要 Summary
名称 | アメ横センタービル |
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主要バリューアップ手法 | 権利関係調整・整備 |
その他バリューアップ手法 | - |
築年 | 1983年1月 |
土地面積 | 約396坪(共有持分含む) |
延床面積 | 約2038坪 |
賃貸可能面積 | 約856坪 |
容積率(指定) | 800% |
階数 | 地上5階 / 地下2階 |
アセットクラス | 商業 |
物件購入年月 | 2022年10月 |
物件販売年月 | - |
物件販売額 | - |