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ハラハラドキドキだった平成22年度税制改正 vol.09

話題満載!平成22年度税制改正大綱が閣議決定

 民主党政権下で初となる税制改正は、さまざまな話題を提供し、昨年12月22日に閣議決定されました。新しい税制調査会が議論を開始したのが昨年10月8日。時間不足の中でおこなったにしては、平成22年度の単年度分でも重要改正が目白押しです。ここでは個人の土地住宅に関する税制を中心にご紹介します。

贈与を考えている方に朗報!唯一の明るい話題、贈与税の非課税枠の拡大

 厳しい経済情勢の下、住宅着工戸数が低水準で推移、そこで高齢者が保有する眠れる金融資産を活用し、若年世代等の住宅取得を支援するため、住宅取得等資金の贈与税について、非課税枠を拡大することになりました。景気刺激策として期待できる内容で、唯一の明るい話題といえるのではないでしょうか。また、住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の特例は、内容が後退したものの2年延長されることになりました。


今後、不動産の優遇税制が危ない?租税特別措置法ショック

 ガソリン税で有名になった租税特別措置法ですが、その内容は多様で、実はその多くが特定の政策目的を実現するために特定の者の税負担を軽減する内容となっています。大綱では、これらの全てを「ふるい」にかけて、平成22年度税制改正から始まる今後4年間で抜本的に見直すことを謳っています。見直しの初年度となる平成22年度税制改正では、平成21年度末までに適用期限が到来する措置を中心に、各府省から拡充や見直しの要望があった項目等を含め、国税で82項目、地方税で90項目の見直しが行われました。その結果、国税で41項目、地方税で57項目の廃止または縮減が決定されました。

 土地住宅税制の多くの優遇措置も租税特別措置法に規定されています。一定のマイホームについて税の優遇を与える場合、そのマイホームのことを「特定居住用財産」と表現します。マイホームについては、政策的に保護すべきものとして、誰もが認めるところです。ところが、マイホームの買換え時に多額の売却益が出た場合の課税の繰り延べ制度(「特定の居住用財産の買換えの特例」措法36の2)を、昨年11月30日の一時査定では、「D」と評価しました。「D」とは、要望項目として認めないという意味です。この買換え特例はマイホームを売却した時に売却益が3,000万円を超える場合に検討され、実際に適用を受けた経験のある読者も多いかと思います。個人的には「特定居住用財産」については聖域だと信じていました。その後、制限付きで復活して、延長が認められましたが、まさに「租税特別措置法ショック」と言わずしてなんと表現してよいかわかりません。平成21年12月31日で期限切れを迎える譲渡所得関係の租税特別措置法で、延長が認められたものは次の通りです。

平成22年中の不動産投資は魅力的!?租税特別措置法の「ふるい」に対する今後の対応

 現在、アパート、マンション等の賃貸物件で含み益のある不動産を所有している方は、平成21年度税制改正で3年間延長が認められた長期の事業用資産の買換え特例(図を参照)を、今一度思い出して下さい。

 これまで事業用資産の組替の切り札としてご紹介してきた制度です。この特例も租税特別措置法です。期限が平成23年12月31日に到来することから予定では平成24年度税制改正で「ふるい」にかけられることになるでしょう。制度が延長されるのか、期限切れ廃止されるのかは不透明です。その意味では、 平成22年という年は、長期の事業用資産の買換特例と平成21年度の税制改正で景気刺激策として創設された2つの制度とあわせて合計3つの制度を加味して、タックスプランニングできる最後の年となります。 2つの制度とは、平成21年1月1日から22年12月31日までに土地等を購入することにより将来に課税の特例が与えられるもので、1,000万円の特別控除(措法35の2)、土地等を先行取得した場合の課税の特例(措法37の9の5)のことです。

相続税、所得税、痛みは富裕層へ!?来年度以降は抜本改革が開始

 税制の抜本改革は来年度以降で目指すこととし、平成22年度の大綱には改革の方向性と今後の進め方が明記されています。それによると近日中に専門家委員会を立ち上げ、工程表を作成することになりそうです。個人に影響する所得税、相続税、贈与税等も大きくその仕組みが変わる可能性大です。 財政が厳しい折り、当然、痛みが伴う改革が予想されます。ではその痛みを誰が引き受けることになるのか。誰かが引き受けなければなりません。基本的な考え方としては、法人よりは個人が、個人では、高額所得者の負担がより増加することになるでしょう。税に関しては、知らずにいると思わぬ課税を受けたり、また、優遇税制の適用を失念することがあります。少しでも気になることがありましたら、ぜひ、レーサムの担当者にお声がけください。 今後このコーナーでも、激変が予想される税制について、そのときどき有益な情報と独自の視点を提供していきます。みなさま今年もよろしくお願いいたします。

※平成22年1月の時点では、平成22年度の税制改正の内容は、国会での承認を受けておりません。例年通りだと3月下旬頃に承認され、その内容が確定いたします。